頑張って生きている、すべてのあなたへ。
静かな微笑みは、ときにどんな言葉よりも雄弁です。
「大丈夫だよ」と、あなたはいつもそう言って、周りを安心させてくれる。その微笑みの裏に、どれほどの重さを抱えているのか、多くの人は知らないでしょう。
誰かのために何かをするのは、あなたにとって息を吸うのと同じくらい自然なことかもしれません。
与えること、支えること、そして、そうやって人の役に立つことに、あなたは確かな喜びと生きがいを感じている。
それは決して、人に良く思われたいからでも、誰かの期待に応えたいからでもない。
あなたがただそうしたいから、そうすることが、あなたの心を満たすからです。
あなたは、周りの人々が笑顔でいられるように、その笑顔を守るために、密かに、静かに力を尽くしている。
その強さは、あなたが今まで積み重ねてきた努力そのものです。
誰に言われなくても、自分を磨き、高めることを怠らなかった。
それはあなたの誇りであり、誰にも侵されない、あなた自身の聖域なのです。
でも、ときどき、ふと立ち止まってしまう瞬間はありませんか。
誰にも見えない場所で、息をひそめるようにして。
自分ではどうにもならない感情の波に、一人で耐え忍んでいるとき。
そんなとき、あなたはきっと、誰かに助けを求めることすら考えないでしょう。
弱音を吐くことは、あなたの辞書にはない。
なぜなら、それはあなたのプライドに反するから。
すべてを一人で引き受けることこそが、あなたの生き方であり、美学だから。
でも、ときには少しだけでいいから、自分に問いかけてみてください。
その頑張りは、本当に「あなた」のためのものですか?
もしかしたら、あなたはいつの間にか、自分自身を置き去りにして、目の前の誰かのために走り続けているのかもしれない。
それは、素晴らしいことであると同時に、あなた自身をすり減らしていく危うさも持っています。
どうか忘れないで。
あなたは、あなた自身にとって、一番の理解者であり、最強の味方である
あなたを支え、守り、奮い立たせる力は、外にあるのではなく、すべてあなたの中にあります。
あなたが今まで乗り越えてきた数々の困難、流した汗、そして、そのたびに手に入れた確かな強さ。
それは、あなたの心の奥底に眠る、揺るぎない自信となって、いつだってあなたを照らしてくれるはずです。
誰かに助けを求めなくてもいい。一人で立っていられるあなたは、本当に強い人です。
でも、その強さで、どうか自分自身も抱きしめてあげてください。
「もう十分頑張ったよ」
そう、心の中で自分に語りかけるだけで、あなたの心は少しだけ軽くなるかもしれません。
無理をして笑わなくてもいい。
少しだけ、頑張ることを休んでもいい。
あなたの心の中にある、小さな灯り。
それを消さないように、大切に守ってあげてください。
その灯りが、いつかまたあなた自身を導いてくれるはずだから。
あなたは一人かもしれないけれど、心強いあなた自身が、いつでもそこにいます。
そのあなた自身に、どうか優しくあってください。
あなたには、あなたを救う力があることを忘れないでください。
あとがき
母親が個性的だったせいか、私は不器用に頑張りすぎる人に育ってしまったみたいです。気付くと私には何もなかった。何者にもなれていなかった。
だからその頑張りを、自分のために使ってみることにしました。


